2020年8月12日
農林水産大臣 江藤 拓 殿
JCFU全国沿岸漁民連絡協議会
共同代表 高松幸彦(北海道)
同 瀧澤英喜(岩手県)
同 鈴木重作(山形県)
同 鈴木正男(千葉県)
同 岡田三市(三重県)
同 杉本武雄(和歌山県)
同 笠岡義雄(愛媛県)
同 宮崎義則(長崎県)
対馬周辺の沿岸つり漁業を守り、まき網漁船の操業規制を求める要望書
平素より沿岸漁業の振興にご尽力いただいておりますことに改めまして感謝申し上げます。
さて、対馬周辺漁場は古くから沿岸小型船によるスルメイカ、サバ、クロマグロなどの
つり漁業が盛んな海域で、対馬漁民ばかりでなく全国の小規模沿岸漁船の大切な漁場と
して守られてきました。
しかし、近年、高度な漁撈装備を備えた企業まき網船(大臣許可・知事許可船)が
九州西岸地域をはじめとする他地区より進出し、沿岸漁民の漁場であった対馬周辺海域での
操業を顕著化しています。そして、集魚灯・投光違反、集団操業などにより沿岸つり漁民の
操業を妨害するなど、無秩序な操業を繰り広げ沿岸漁民の生活を脅かすようになってきています。
現在、小規模沿岸漁民はスルメイカの不漁、クロマグロの漁獲規制、コロナ禍による
出荷量・魚価低迷で三重苦の状況に追いやられています。つきましては、沿岸つり漁民の生活を
守るために対馬周辺におけるまき網漁業の操業規制を求め以下の事項を強く要望するものです。
要望事項
1.対馬漁民の要望を十分聞いた上で、対馬沿岸つり漁業者の生活を脅かさないよう、
対馬周辺でのまき網船操業の規制ラインを早急に設定すること。
2.イカ船をチャーターし、その集魚灯を利用した集団まき網操業が依然として行われ
ていることから、違反行為の徹底した取締と違反まき網船の許可取り消しを行うこと。
なお、この問題は昨年の衆議院農林水産委員会で取り上げていただいている。
3.日本も提案国となった国連「家族農業の10年(2019-2028)」決議は、家族農業や
小規模漁業の重要性をかかげ各国政府にその持続的発展のための具体的施策を求めている。
ついては、日本政府にあっては全経営体の9割以上を占める小規模沿岸漁業と対馬のよう
な離島を含めた地域漁村を守る観点から、沿岸漁民の意見を重視した施策推進をすること。
以上
連絡先:JCFU全国沿岸漁民連絡協議会事務局
千葉県勝浦市松部1963の2
千葉県沿岸小型漁船漁業協議会内
電話:0470-73-5640