2023年11月30日
一般社団法人全国底曳網漁業連合会
会長理事 富岡啓二 殿
八戸沖および対馬沖における沖合底曳網操業に関する要望書
JCFU全国沿岸漁民連絡協議会
共同代表
高松幸彦(北海道北るもい漁協)
瀧澤英喜(岩手県越喜来漁協)
鈴木重作(山形県漁協)
鈴木正男(千葉県沿岸小型漁船漁協)
杉本武雄(和歌山県東漁協)
西川征二(長崎県美津島町漁協)
下山浩助(北海道戸井漁協)
泉 徳隆(青森県大間漁協)
能登勝男(青森県奥戸漁協)
嶋津圭一(千葉県新勝浦漁協)
片山 勇(三重県三重外湾漁協)
松村宗典(長崎県美津島町西海漁協)
高橋拓也(沖縄県八重山漁協)
根本勝洋(茨城県那珂湊漁協)
梅野萬寿男(長崎県厳原漁協)
宇津井知可志(長崎県上対馬漁協)
岡田三市(三重県三重外湾漁協)
常日頃より沿岸漁業資源の保護・管理にご配慮いただいていますことに感謝申しあげます。
私たちは日本周辺の水産資源を守り、沿岸漁業、沖合漁業がともに持続的産業として発展することを願っております。
さて、このほど下記のとおり沖合底引き網漁業操業に対する要望を取りまとめましたのでご検討いただきますようお願いする次第です。
要望事項
(八戸沖スルメイカ操業について)
1.スルメイカ資源は現在きわめて低水準の状況下にあり、八戸沖スルメイカ漁場では、沿岸小型イカ釣り船と沖合底びき網船が競合し、沖合底びき網船がスルメイカ操業をすると沿岸イカ釣り漁場が消失する状況が近年続いています。このことから沿岸小型イカ釣り船漁場での沖合底びき網漁業操業を自粛していただくよう要望します。
2.八戸海区の沖合底びき漁業では、当初のTAC割当量を消化したのち、他海区の未消化TAC枠の追加配分を受けて、年末まで長く操業を続ける実態があります。国の未消化TAC枠を八戸沖漁場へ集中させ漁獲することで、八戸沖の沿岸小型イカつり漁業は操業上強い圧迫を受け続け、資源の枯渇は著しいものとなっています。このことから他海区の未消化TAC枠を八戸沖沖合底びき網操業船に追加配分しないよう強く要望するものです。
3.八戸沖における大臣許可の沖合底びき網漁業により、春季に小型イカ(胴長10cm、重量25g程の幼魚、チビイカ)が毎年大量に水揚げされています。春季、沖合底びき網で小型イカを多獲することは、沿岸小型イカ釣り漁業が対象とする夏イカへの加入を減少させることにつながり、資源管理上の観点からも好ましいことではありません。サイズ規制措置を導入し、沖合底びき網操業における小型イカ漁獲を防止するよう要望します。
(対馬沖アカムツ操業について)
4.8月中旬の以東底びき網解禁後、他県の大臣許可沖合底びき網船が長崎県対馬海域に集中しアカムツの乱獲的漁業を行っています。このことにより対馬の沿岸立縄釣り漁業が経営困難となっていることから操業自粛いただくよう要望します。
5.対馬の沿岸漁民には知らされぬまま、他県の沖合底びき網船が70トン型から125トン型へ大型化され、対馬沖アカムツ操業に参入しています。沿岸漁業資源を守るためにも大型化した沖合底びき網船には距岸8マイル沖以遠で操業するよう要望します。